【2020年6月10日】関東も梅雨入り間近!カレンダーにある「入梅」とは?
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どうも、chimonです。
今日6月10日、中国・近畿・東海地方が梅雨入りしたと見られると発表がありましたね。
明日には、chimonの住む関東地方も梅雨入りすると見られ、いよいよ本格的な梅雨シーズンの到来です。個人的には大嫌いなシーズンなんですけど。笑
喜んでいるのはカタツムリくらいかな…
himekuri-nippon.hatenablog.com
奇しくも、今日は雑節の一つ「入梅」だってご存じでしたか?
ということで、今回は「入梅」や梅雨という言葉について、簡単にご紹介していきたいと思います!
1. 入梅ってなーに?
そもそもカレンダーにある「入梅」とは一体何なのでしょうか?
サラッと「雑節の一つだよ」とお話ししましたが、雑節っていうのは、日本で独自に設けられた暦日のこと。
雑節については、立春の記事で詳しくご紹介しています。こちらの記事をどうぞ!
himekuri-nippon.hatenablog.com
当ブログでは「二十四節気」や、それをさらに三分割した「七十二候」について毎回取り上げています。
これらの暦というのは中国からきたもの(七十二候は、一部日本で変更されている)なので、日本の季節感とは少しズレる部分があります。当然なんですよね。
ただ、暦は農作業をする上で大切な指標なので、季節感とズレるというのはなかなか大問題!
ってことで、日本ならではの季節感を取り入れた「雑節」というものが定着していったというわけなのです。
「入梅」は、読んで字のごとく「梅雨に入る日」ということ。まんま。
人間にとっては憂鬱以外の何者でもない梅雨ですが、農作物(特に稲)にとっては、梅雨時期の降水はとても大切。梅雨にしっかりと雨が降らなければ、いい作物は実りません。
そんなこともあり、入梅=水を必要とする田植えの季節、そして本格的な夏の到来を意味する雑節でもあったようです!
ところで、この入梅、当初は時期が定まっていなかったんだそうで!
芒種(ぼうしゅ)後の最初の丙(ひのえ)の日だの、芒種後の最初の壬(みずのえ)の日だの、とにかくいろんな定義がごっちゃ混ぜになっていたみたい。
「芒種って何?!」という人はこちらをどうぞ!フランス語じゃないよ。ボウシュ。
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年によって梅雨入りの時期は違うわけだから、時期が統一されないってのは、ある意味正しいかもしれないですけど。笑
…暦としてはダメだよね。
それが江戸時代の途中から「芒種後の最初の壬の日」に統一され、その後、現在の定義でもある「太陽黄経80度の日」と定められました。
そういえば、沖縄で梅雨最盛期を表す言葉として「小満芒種(スーマンボースー)」というものがあるとご紹介しましたね!
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沖縄は小満から芒種が梅雨の最盛期だけど、本州に関しては芒種以降…あえて言うなら「夏至小暑」って感じ…?
ネーミングが微妙。笑
2. そもそもなぜ「梅雨」なのさ?
(1)え?梅雨もメイドインチャイナなの?!
入梅については良しとして、そもそも「梅雨」って名前の由来が気になりませんか?
何で「梅」やねん!って。
気になって調べてみたら、意外なことに「梅雨」という言葉は日本生まれではない、ということが発覚しました。
まず、梅雨って日本独自なのかと思いきや、台湾・中国・韓国でも同じように「梅雨入り・梅雨明け」があるんですね。
まあ隣国なんだから、梅雨前線の影響は受けるか。そりゃそうか。
で、「梅雨」という言葉自体も中国生まれらしいのです!
ただし、中国から日本に伝わったときの読み方は「ばいう」だったと言われています。それこそ「梅雨前線」は「ばいうぜんせん」と呼びますよね。
中国でこの時期の長雨が「梅雨」と呼ばれるようになった理由としては、次の2つの説が唱えられています。
- 揚子江流域において、梅の実が熟す頃に降る長雨だったため「梅雨」と呼ばれるようになったという説。
- 長雨が続いて黴(カビ)が生えやすい時期ということで「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたが、「暦の漢字としてどうなのよ?(正確なところは不明)」ということで、梅という漢字が充てられたという説。
どちらにせよ、中国で「梅雨」と呼ばれていた物が、「ばいう」として日本に伝わってきたとされているのです。へぇ。
日本古来の言葉としては、以前ご紹介した「五月雨(さみだれ)」という言葉があります。
旧暦の5月は梅雨時期にあたっていたことから、「五月雨」は梅雨の長雨を指す言葉であるという話でした。
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(2)「つゆ」って後付けだったんだ!
しかし、ここで一個疑問が湧いてきませんか?
じゃあいつから「つゆ」って読むようになったのよ?と。
「梅雨」はあくまでも「ばいう」として伝わってきたわけで、「つゆ」なんて読み方は本来ないわけですよ。
どうやら「つゆ」と読むようになったのは、江戸時代になってからのことのようです。近代になってからなんですね!びっくら!
「つゆ」という名前の由来も諸説あるようでして…主に言われているのは次の2つ。
- 長雨が降って、木の葉や梅の実に露(つゆ)が滴るというところから名付けられたという説。
- 熟しすぎた梅の実が落っこちて潰れてしまう様子を表した「漬ゆ」から転じて、「つゆ」と読むようになったという説。
どちらも、何とも江戸時代らしい言葉遊びです。洒落が効いてるね!
実際、梅のシーズンは梅雨入りしてからなんだそう。
青いうちに収穫するなら梅雨の初期、黄色く熟してからなら梅雨の中期あたり。
確かに梅雨が終わるころには、梅の実が熟しすぎて落ちてしまうということのようですね。
ちなみに、梅が中国から伝来したのは飛鳥時代と見られ、平安時代には「梅干し・昆布とともにお茶を振る舞った」という記録が残っており、少なくともこの頃には梅干しが一般的になっていたということのようです。
現在当たり前の「赤い梅干し」は、江戸時代に誕生した模様。ふーん。
3. おわりに〜明日は梅雨そのものについて書こうかな〜
今日は雑節の一つ「入梅」ということで、言葉の面から入梅や梅雨について深掘りしてみました。
梅雨も中国由来とは知りませんでした…てっきり日本独自のものかと…。
明日は関東も含め梅雨入りの可能性大ということで、今度は「梅雨」という現象そのものにスポットを当てて書こうかと思っております。
わずかながらの「梅雨シリーズ」をお楽しみくださいませ!笑
では!
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chimon