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【2020年4月4日】本日は清明!たまには中国の文化を見てみようか〜清明小話〜

《この記事の文字数:約3,000》

 サラッと読める

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SEIMEI

どうも、chimonです。

 

今日2020年4月4日は、二十四節気の一つ清明

 

清明って、どんだけ爽やかな名前やねん!イケメンだな、絶対!!笑

 

何だかんだ二十四節気は毎回特集しているので、今回も清明小話をお届けします。と言いつつ、番外編的な感じでお隣の国・中国の文化がメイン!

 

 

1. 清明って何じゃらほい?

もはやシリーズ化しても良いんじゃないかというくらいの二十四節気。笑

 

二十四節気については、節分・立春にアップした記事で解説しています。

 

himekuri-nippon.hatenablog.com

himekuri-nippon.hatenablog.com

 

清明二十四節気のどこに位置しているかと言いますと…

 

(前略)立春 → 雨水 → 啓蟄春分清明穀雨立夏 →…(後略)

 

といった感じです。

 

おお!!雨水も啓蟄春分も、全部記事をアップしておりますね!笑

 

 

清明というのは「清浄明潔(しょうじょうめいけつ)」という言葉の略なんだそうで、「何もかもが清々しくて明るい時節」ってことを意味しています。

 

澄んだ青空に新緑、桜。

 

うん、清々しい!!笑

 

(今年は、春が日本新記録を更新してしまったので、東京ではもはや桜が散り始めていましたが…)

 

 

コロナの影響さえなければ、思わず外にお出かけしたくなる季節…。

 

 

やっぱり名前の通り、爽やかイケメンな二十四節気!笑

 

 

2. お隣中国の清明

二十四節気と言っても、立春のように日本で重要な意味を持ってきたものと、そうでないものがあります。

 

清明に関しては、どちらかと言うと後者みたい。

 

日本国内(沖縄を除く)においては、清明に行われる風習的なものはあまり見られません。

 

沖縄の風習については、この後詳しくご紹介します!

 

 

ただ、日本のお隣・中国においては、清明ってとても重要な意味を持つ時期でして…!

 

「日めくり日本文化」と言いつつ、中国文化に触れちゃうわけです。笑

 

日本文化は中国文化の影響を色濃く受けているから、良いの!!!

 

 

中国では清明節」と呼び、お墓参りをするのが風習なんだそうな。

 

日本で言うところのお盆ですね。

 

 

日本だと、お盆・お彼岸・年末年始…といった具合に年何回かお墓参りするのが風習ですが、中国は事情が違います。

 

お墓参りは清明節もしくは重陽節(9月9日)だけ、っていうのが一般的みたいです。

 

 

中国文化の詳しい話はブログの主旨ではないので、こちらのページをぜひ!

chugokugo-script.net

 

「お金を燃やして弔う」という、とんでもなくゴージャスなことが書かれていますが…笑

 

実際には、本物ではない紙のお金(偽札じゃないです)を燃やすのです。お金を燃やすことで、あの世にいる祖先がお金に困らないようにするという意味があります。

 

 

そう言えば、以前アイヌの風習で「家を燃やすことで、故人が住む場所に困らないようにする」(カゾマンテ)というものがあったとご紹介しました。

himekuri-nippon.hatenablog.com

 

ものを燃やすとあの世に送信できるシステム?

 

送り火的な意味合いなんでしょうかね。

 

 

明代の文献によると「祖先のお墓の草むしりや掃除を行い、お酒や食べ物を供え…」というようなことが書かれており、まさに日本のお盆に近い風習であることが伺えます。

 

一方で、清明節はお出かけの日!」的な認識もあった模様。

 

日本のお盆もお墓参りのために帰省するということ以上に、お出かけ・旅行っていうのがメインになっている感がありますもんね。

 

つまり、故人を偲ぶと言えど、決して弔事ではないってことです。

 

むしろ慶事的な感覚の方が強いかも。

 

 

文化大革命によって、清明節も一時期風前の灯火になっていたみたいですが、2008年から法定休日となった経緯があります。それ以降は三連休。

 

 

毎年多くの人が墓参りに出かけるそうですが、今年はコロナの影響でかなり縮小傾向みたいですね。

www3.nhk.or.jp

 

 

清明節について、このブログで注目したいもう一つのポイントが、お茶に関するもの。

 

 

中国緑茶では、清明節前に収穫されるお茶のことを「明前茶(みんぜんちゃ)」と呼びます。

 

続く清明節〜谷雨(穀雨)までに収穫されるお茶を「雨前茶」、谷雨以降に収穫されるお茶を「雨後茶」と言います。

 

 

明前茶は、比較的まだ寒い時期に収穫されるため、収穫量は少なめ。

 

若くて柔らかい新芽から作られる新茶であり、穏やかな甘みや香りが特徴的です。

 

 

雨前・雨後と時期が進むにつれて葉っぱの成長が進むので、渋み・苦味の強いパンチのある味になっていくみたいですね。

 

 

とは言え、品種改良や気候変動によって、もはや雨前と雨後の差っていうのは段々なくなってきているみたい。

 

最近では、清明節の前後で「明前茶」「明後茶」っていう区別をする方が適切になりつつあるって書いてありました。笑

www.teamedia.co.jp

 

 

3. 沖縄もですぜ、兄貴

先ほど、日本では清明に関わる特別な行事はあまりないって話をしましたが、沖縄だけは例外。

 

琉球王国時代の1768年ごろより、毎年清明祭(シーミー)を実施する旨が定められ、中国風の行事が盛大に行われるようになりました。

 

琉球王国は17世紀から清と島津藩への両属体制にあったため、中国の清明節の影響を強く受けたということのようですね。

 

 

厳密に言うと「神御清明祭(カミウシーミー)」と「清明祭」があって、前者は古い祖先の墓参り、後者は祖父母などを祀る現在のお墓にお参りするものを指します。

 

 

代表的な進め方としては、まずお墓の周りの草むしりや掃除を行い、重箱に入ったご馳走をお供えします。その後「ウチカビ」と呼ばれるあの世のお金を燃やして、お線香を上げていくという流れ。

 

 

拝んだら、お供えした重箱料理をみんなでいただきます!

 

 

これって中国と同じようにピクニック的な感覚で、親族の親睦の機会でもありました。伝統的な沖縄のお墓では、大勢が集まれるように墓前に大きなスペースが設けられているのが普通らしい。へぇ。

 

最近では沖縄でも核家族化が進んでいて、近代墓が増えてきているため、こうした伝統も失われつつあるそうですが…。

 

 

中国の清明節をまんま受け継いでいますよね。

 

 

さらに重箱を使っている+ピクニックってことからも分かる通り、明らかに慶事なんです。実際、喪に服している場合にはやらないんだそう!

 

 

沖縄本島だと清明祭を行う地域が多いですが、離島だと「十六日(ジュールクニチ)」という行事が見られます。

ジュールクニチ(十六日)☆離島地域に多いお墓参り行事

 

ここで興味深いのが、十六日は弔事的要素が強いってこと。


清明節と比べると明らかに様相が違うんですよね…。

 

 

清明節が盛んに行われているのは、中国文化の影響が強かったであろう首里周辺(現在で言うところの那覇市周辺)らしいので、十六日が琉球古来のお盆的風習だったのかもしれません。

 

 

こうやって見ると、沖縄の文化もいずれ特集したいですな…!

 

 

4. おわりに

今回は、清明について見てきました。

 

日本文化と言いながら、中国文化中心の回でしたがなかなか興味深いことだらけ。

 

ってか、沖縄の文化って全然知らないんだなあと気付かされた回でした。

 

北海道を特集したことですし、今度は沖縄の文化も深掘りしていきたいですね。

 

 

ということで、今回はここまで!

 

 

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chimon