【2020年6月21日】夏至とはこういう日!〜昼が一番長い日・夏至小話〜
《この記事の文字数:約4,000》
ちょっと読み応えアリ
どうも、chimonです。
今日は父の日。
世の中のお父様方には申し訳ない(?)のですが、当ブログ的にはそれよりも大きな意味のある日なのです。
2020年6月21日は、そう!夏至!
二十四節気私設応援ブログということで、夏至とはどのような日なのか、夏至の由来とは?など、「夏至小話」をお送りしたいと思います。
1. そもそも夏至とは?
(1)二十四節気のスター「夏至」
それでは、さっそく夏至という日について見ていきましょう。
二十四節気の中には、どうしようもなくマイナーなメンバーもいるわけですが…例えば「小満」や、フランス人とのハーフ(嘘)の「芒種(ボウシュ)」など。
「聞いたこともない!」って人は、こちらの記事をどうぞ。
himekuri-nippon.hatenablog.com
himekuri-nippon.hatenablog.com
そんなマイナーなメンバーが多い中、夏至の知名度は間違いなくトップクラス。
言わば「二十四節気のセンターを張れるスター」と言ってもいいでしょう。笑
ご存じの通り、夏至というのは「北半球において、一年で最も昼が長くなる日」。
太陽黄経90度にあたり、立夏と立秋のちょうど真ん中にあることから、暦の上では夏のど真ん中!
日付は太陽周期によって決まりますが、たまたま2020年からはしばらく「6月21日」に固定される見込み。昨年(2019年)は6月22日だったのですが、これはかなりレアケースだったみたいです。へえ。
ちなみに、夏至という名前は「夏、日長きに至る」というフレーズから来ているようです。
「至る」というのは「ある一点にたどり着く」というような意味を表すことから、転じて「極まる」という意味合いを持つようになったみたい。
現在では「至」という漢字自体に、「太陽が極点になる日」という意味合いがあると言われ、「夏至」「冬至」という言葉に使われています。
(2)夏至は「日の出が一番早い日」ではない!
夏至は昼が一番長い日、ということで、「日の出が一番早く、日の入りが一番遅い日」と思っている人もいるかもしれません。
しかし!
実際には、日の出が一番早いわけでも日の入りが一番遅いわけでもありません。
何やて?!
2020年6月の日の出・日の入り時刻をご覧ください。
ね?
夏至の1〜2週間前の方が日の出は早いし、逆に1週間後くらいの方が日の入りは遅いということがわかります。
何でか、と申しますと…若干難しいお話になるので…超ざっくりいきますね…(と言うより、専門的な話すぎてchimonもイマイチ理解できない。笑)
ズバリ一言で表すなら、
太陽の南中時刻が日々変わっているから。
これ以上は、正直な話、天文学に詳しい人じゃないと説明できません。笑
理解できた範囲でお話しすると…
- 地球は太陽の周りを公転しながら自転しているので、太陽が真正面に来るタイミングが、毎日ちょっとずつズレている。
- おまけに地球の公転軌道は楕円形なので、季節によってズレ方が違う。
- さらにさらに、地球そのものが傾いている。
という、とんでもなく複雑な要因が重なり合いまして、南中時刻が一番遅いのが夏至ではないという状況が発生するのです。
要するに、日の出の早さと日の入りの遅さのバランスによって、日が出ている時間が一番長い日=夏至となっているということ。
ややこしいねえ。
chimonはこれ以上説明できないので、気になる方はここらへんをどうぞ。笑
(3)夏至が一年で一番暑くないワケ
ところで、子どもから「夏至って昼が一番長い日なのに、なんで8月の方が暑いの?」と聞かれたら、あなたは正確に答えられますか?!
ドキッとした人、いるんじゃないですか??笑
ということで、簡単にご紹介しておきますね。ここで覚えちゃいましょう。
日本において、夏至が一年で一番暑くない理由は主に2つあります。
- 通常夏至は梅雨の真っ最中なので、実際の日照時間はそこまで長くないから。
- 加熱が最大になる時が、最も暑くなる時とは限らないから。
1つ目は、まあ当たり前の話ですね。
どれだけ日が長くたって、雨が降ったり曇りがちだったりすれば、根本的に気温はそこまで上がりません。
2020年の東京も曇りがちだったので、実際にそこまで気温は上がっていませんよね。
ただ、快晴だったとしても、夏至が一番暑くはならないのです。
それが2つ目の理由によるもの。
当然ながら「最高気温」というのは空気の温度を測っているわけです。
空気というのは、太陽光によって直接温められているわけではなく(一部は吸収しますが)、ほとんどが地面からの放熱によって温められます。
このため、地面の放熱が最も多くなる時=地面が最もたくさん熱エネルギーを吸収しきった時が、暑さのピークとなるのです。
夏至の後は徐々に太陽高度が下がっていきますが、それでも太陽エネルギーは多い状態がしばらく続きます。
地面における「放熱量<太陽エネルギーによる加熱量」となっているうちは、どんどん放熱量が増えていくということになります。
放熱量が増えていく限りは、最高気温も上がっていくのです。
やがて秋が近づき「放熱量>太陽エネルギーによる加熱量」となると、気温が下がっていきます。
この理論、よく「やかんを熱する時の話」で例えられます。
やかんを熱する時、いきなり強火にしても、すぐにお湯が湧くわけじゃないですよね。そんなことあったら怖い。
あくまでも「火によってやかんの中が徐々に熱せられて、最高音に達した時に「ピー」ってなる」という流れです。
やかんを地球に置き換えると(笑)、もっと大きなスケールで同じようなことが起こるため、夏至が一番暑くはならないということ。
なお、日本の場合は1つ目の「夏至が梅雨」という部分が、もう一回強く効いています。
というのも、他の北半球の国々では「7月が最高気温」というエリアが多いんですね。梅雨がなければ、放熱量が最も大きくなるのは7月ってことなのです。
その証拠に、6月上旬には梅雨明けする沖縄に限ってみると、7月が最高気温となっています。
■(参考)那覇の月別気象データ
日本列島は梅雨が明けてから、本格的に太陽エネルギーが地面に溜め込まれるので、梅雨明けからしばらく経った8月上旬に最高気温がやってくる、ということになるんですね。へえ。
2. 「夏至ならでは」が見当たらない理由
冬至と言えば「ゆず湯」とか「かぼちゃ」とか、全国的に知られる風習があります。
一方で、「夏至ならではの風習」って言われても、なかなか思いつかない人も多いのでは?
実際、夏至だからといって全国的に行われる風習というのはないみたいです。
関西では「タコを食べる」という風習もあるようですが、正直chimonは全く馴染みがありません。すみません…!
このように全国的な風習がない理由としては、「夏至の時期が農業的に忙しい時期だから」というものが挙げられます。
出た!笑
6月に祝日がない理由も、「農作業が一番忙しい時期だから」というお話をしましたね。
himekuri-nippon.hatenablog.com
何度もご紹介していますが、そもそも二十四節気をはじめとする日本(中国)の暦は、農作業のために作られているようなもの。
農作業が大変な時期に特別な行事は設けない、というわけなのです。
暦は、農業ファーストです。
3. 「夏」で「ゲ」って…滅多に聞かん
ちょいと話はズレますが、「げし」って難読漢字だと思いませんか?
「夏」って、「カ」か「なつ」でしょ?
「夏至」=「カシ」って読むのが普通じゃないの?と。
で、調べてみました。
ふむふむ…!!!
音読みのところに「ゲ」ってありますね!!!
なるほど、この字は間違いなく「ゲ」と読むようです。
とは言え、実際には「夏至」以外で聞いたことがないような気がします。
ここで注目したいのが、漢字の読み方の種類!
日本では漢字の読み方について、日本語読みの「訓読み」と中国由来の読みである「音読み」の2種類で表しますが、「音読み」はさらに「呉音」「漢音」「唐音」というように分類することができます。
中でも広く使われているのが「呉音」と「漢音」。
名前からも推測できる通り、呉音というのは漢音が伝わる前から読まれていた読み方で、古代に朝鮮の百済経由で伝わったとも言われています。
一方、漢音というのは、7〜8世紀ごろ遣唐使などによってもたらされたとされる読み方。
漢字によって、呉音主体で読まれるものと漢音主体で読まれるもの、どっちも結構使うものに分けられます。
「夏」という字の場合、漢音は「カ」、呉音が「ゲ」となっています。
つまり、「夏」は漢音が主体ということ。
その成り立ちから、古くに伝わった言葉は呉音が使われている傾向にあります。
二十四節気も百済経由で伝わったという説があるくらい、古くに伝わったものと考えられることから、呉音が今でも残っているということのようです。
漢字の読み方にも、歴史が表れているんですな!!
4. おわりに
今回は「夏至」についてご紹介してきました。
知っているようで知らない夏至の真実が、いろいろ明らかになりましたね。
こうやって二十四節気のことをまとめていると、思わず天文学を学んでみたくなります。
(でも、ドツボにハマりそうなのでやめておきます。笑)
これから夏本番へと向かっていくわけですが、どうかみなさん、お体に気をつけてお過ごしくださいませ。
美味しいビールでも飲みながら、ね。笑
では!!
<参考URL>
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