【2020年6月12日】いよいよ梅雨入り!〜「梅雨」とは?鬱陶しい長雨についてあらためて考えてみた〜
《この記事の文字数:約4,700》
ちょっと読み応えアリ
どうも、chimonです。
昨日6月11日、chimonの住む関東地方でも梅雨入りが発表されました。平年が6月8日ということなので、平年よりちょっと遅め。
前回は雑節の「入梅」というところから、梅雨という言葉の由来を見ていきました。
himekuri-nippon.hatenablog.com
今回は「梅雨シリーズ」として、梅雨の現象的な側面からいろいろ調べてみたいと思います。それでは参りましょう!
1. 梅雨ってどうして起こるんだっけ?
(1)地理でやったけど、おさらい
最初に「梅雨ってどうやって起こるか」という、超基本の話から。
地理の授業で必ずやっているはずですが…意外と覚えていない人も多いのでは?
「梅雨について説明せよ」と先生が言ったら、黙って下を向くという人ばっかりなんじゃないですか?!笑
大丈夫、ここでおさらいしておきましょう。
梅雨をとてもざっくり説明するならば…
クールな番長「オホーツク海気団」と、アツい番長「小笠原気団」のタイマン勝負によって流れる、汗と涙の結晶。
言い過ぎ?笑
北の涼しい空気と南の暑い空気が、季節の覇権を巡って日本の上空でぶつかり合い、その間にできる前線によって長雨がもたらされます。
大前提として、涼しい空気と暑い空気がぶつかるところは大気が不安定になりやすいということがありまして、両者がぶつかる面には前線が発生します。
暑い空気の方が優勢な時は「温暖前線」、涼しい空気の方が優勢な時は「寒冷前線」が形成されるのです。天気図だと、こんな感じで表されます。
で、下に書いているのが「停滞前線」。
暑い空気と涼しい空気がほぼ互角で、綱引きの綱がなかなか動かない状態と考えればOK!
何を隠そう、今回の主役である梅雨前線も停滞前線の一種なのです。
そして、暑い空気が「勝負は決まったぁ!!!」とけしかけた瞬間、梅雨前線は北に追いやられ、日本は本格的な夏を迎えます。
(2)梅雨は日本限定じゃなかった!
ところで、前回「入梅」の記事でも触れましたが、梅雨って日本限定の気象現象ではないんですね。
himekuri-nippon.hatenablog.com
実は、中国の沿岸部・台湾・韓国など周辺各国でも「梅雨」が存在しています。
韓国は日本と同じく小笠原気団とオホーツク海気団の戦いによる梅雨なんですが、中国大陸の場合は、違う気団が同じような戦いを繰り広げているらしいのです。
こちらは…
冷静沈着・大陸生まれの「揚子江気団」と、情熱的・海洋生まれの「熱帯モンスーン気団」のガチンコ勝負。
東西それぞれの気団が、南北で同じような戦いを繰り広げるため、中国大陸から日本列島にかけての長い梅雨前線が形成されるというわけ。
こうして見ると、日本限定ではないものの、少なくとも東アジア限定の特徴的な気候であることに変わりはないようですね。
(3)「北海道には梅雨がない」と言われる理由
日本の中でも「北海道だけは梅雨がない」というのは、ご存じの人が多いのではないでしょうか?
これ、結構不思議な話ですよね。
だって、夏と春のせめぎ合いなんだから、北海道だけ夏が来ないってことになっちゃうじゃないですか!笑
ということで調べてみたところ、「梅雨前線が北海道まで北上する頃には、全体的に気温が上がっているので、オホーツク海気団と小笠原気団の気温差が小さくなっているから」というのが原因のようです。
両者の気温差があるからこそ、全線が発生して雨が降るわけですから、気温差がなくなれば当然長雨も降らないということなんですね!なるほど!!
実際には、夏に入る前、北海道でも「蝦夷梅雨」と呼ばれる雨が降りがちな時期はあるんですが、これはあくまでもオホーツク海気団単体の影響。
梅雨前線によってもたらされる雨ではないので、「北海道に梅雨はない」とされているのです。
chimonはスッキリしたぜ!笑
2. 意外と曖昧な梅雨入り・梅雨明け
(1)明けない梅雨は…あるんだな
毎年当たり前のように6月(沖縄では5月)に梅雨入りして、7月(沖縄では6月)に梅雨明け…と思ってますが、実は当たり前のイベントではないようです。
「明けない夜はない」なんて言いますが、「明けない梅雨」はあるんです。
代表的なのが1993年。
「記録的な冷夏」と言われ、やませの影響で東北〜北海道の米が大凶作。その結果、海外から米を緊急輸入したという年。
この年は梅雨入りこそ発表されたものの、結局夏の間、梅雨前線が北上しきらなかったため、「梅雨明け」が宣言されることなく秋へと季節が進んでしまったのです。
あらら…。
逆に、1963年の近畿・四国では「梅雨入り」が宣言されない、という事態も発生しています。
でも梅雨明けは決まってるんですよ。笑
始まってないのに、終わりはある。
どんなロジックだよ!とツッコミたくなりますが、ちゃんと理由があるのです。
(2)そもそも梅雨入り・梅雨明けってどうやって決めるの?
この謎を解明するには、そもそも「梅雨入り」「梅雨明け」がどのように決められるのか、ということを理解する必要があります。
「梅雨入り」「梅雨明け」はどちらも気象庁が地方ごとに発表するものですが、何か明確な基準があるわけではありません!これが重要!
例えば「桜の開花宣言」だったら、東京の例で見ると「靖国神社にある標本木の花が、5〜6輪開花した時点」という明確な基準があります。気象庁の職員が標本木を確認する様子が、毎年ニュースになっていますよね。
ところが、梅雨に関しては…
- 梅雨入り:平年の梅雨入り前後で、その先も雨や曇りの日が続くようになる時期
- 梅雨明け:梅雨前線が日本列島周辺から消えて、その先に晴れの日が続くようになる時期
というような漠然とした目安しかないのです。定義らしい定義はない、とも言えます。
ただ、一つだけ明確っぽい基準がありまして…
「梅雨明け」は立秋(例年8月7日ごろ)まで、とされているらしいのです。立秋を過ぎて、暦の上で秋になっても梅雨明けが宣言されないと「明けない梅雨」になるようです。
季節は戻っちゃいますが「立夏」については、こちらをどうぞ。
himekuri-nippon.hatenablog.com
「梅雨入り」「梅雨明け」は、戦後の1955年ごろから「おしらせ」として気象庁が発表しはじめたと言われており、正式な業務になったのは1986年のことなんですって!
意外と新しいのだ!
成り立ちが「おしらせ」って時点で、そこまで厳密なものではないってことがよくわかりますよね。
このような背景から、「梅雨入りがいつかは微妙だけど、とりあえず梅雨明けはここでしょう!」というようなことがあり得るというわけなのです。
面白い!
(3)「後から訂正」って、そんなのアリ?!
そんなわけで、一回梅雨明け・梅雨入りを宣言してから「あ、どうやら違ってました!」ということもあります。笑
梅雨入りを宣言したものの、思ったより梅雨前線が北上しなくて1週間以上晴れが続いた、となれば、後から「梅雨入りは1週間後でした」ってなります。
梅雨明けも同様で、この先晴れが続くと思って宣言したら、思ったより梅雨前線が停滞してしまい「梅雨明けはもうちょっと後でした」ってことも、理論上あり得ます。
だから、梅雨入り・梅雨明け宣言では必ず「梅雨入り/梅雨明けしたと【みられます】」という表現を使います。
後から変更する可能性あるよ〜、というリスクヘッジですね。笑
気象庁は11日午前、九州北部、関東甲信、北陸、東北南部の各地方が梅雨入りしたとみられると発表した。
2020年6月11日付 日本経済新聞より
この時点で発表されるのは「速報値」と呼ばれる暫定のもので、9月になると諸々検討した結果の「確報値」が発表されます。
シレッと発表されていますが笑、結構訂正があるものなんですって。
3. 梅雨にまつわる厄介ごと
梅雨の長雨を憂鬱に感じる人も多いと思いますが、実際、いろんな体の不調が発生しやすい時期でもあるんですよね。
そんな梅雨にまつわる厄介ごとを少しご紹介しておきましょう。
(1)chimonもやられた毛虫の恐怖
1つ目にご紹介するのは、つい最近chimonを襲った超タイムリーなお話。笑
今週の平日、家のPCで作業をしていたchimon。
午後になると、なんだか左の首筋がチクチクする…
痒いような痛いような、不思議な感じ。
久々に夏服を着ていたので、繊維で擦れたのかな?なんて思いながら、ときどきちょっと掻いていました。
夜になって首筋を見ると、赤い斑点が無数に広がり、一番ヒドい部分はまとまった大きな発疹になっているではありませんか!
お風呂に入って、あせも薬を塗って様子を見るも、痒みは増すばかり…
患部を保冷剤で冷やしながら、なんとか眠りに就いたものの…
翌朝になってみると、痒みと発疹は腕にも広がっていたのです!恐怖!!
市販の発疹薬を買って塗り塗り…塗り塗り…
でもやっぱり痒みは治らない…なんてこった!!!
ということで、その次の朝イチで皮膚科に駆け込んでみると…大混雑…15人待ちでようやくお医者さんに診てもらったところ、先生は診た瞬間に即答。
「こりゃ毛虫だねぇ…ヒドくやられたね…一番強い薬出しとくから、一生懸命塗ってね。」
け…毛虫?!?!?!
「そう、今日来てる患者さん、ほとんど虫にやられてるんだよね。」
そ、そんなに毛虫アクセサリー流行ってるの?!
超タイムリーなchimon劇場でした。笑
実は、5月〜6月は毛虫の孵化の時期にあたりまして、梅雨の始まり頃は毛虫の毒で皮膚炎を起こす人が多発するらしいのです。知らなかった…。
chimonは外に出た記憶がなかったのですが、どうやらフワフワと毒のある毛だけが旅をすることがあるらしく…干しているときにその毛がついた衣服を着るだけでも、皮膚炎を発症してしまう危険性があるのだそうです。
逃れようがない!!!
ってことで、もしピリピリチクチクした赤い発疹が出るようなら、毛虫を疑いましょう。
気付いたら、絶対に掻きむしらないこと!
ガムテープやシャワーで毒のついた毛を体から取って、なるべく早く病院へGOです。
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(2)心も病むよね、長雨だもの
GW明けに心が辛くなる症状として「五月病」が広く知られていますが、梅雨の長雨で気が滅入ってしまう「六月病」なるものもあるそうです。
梅雨時期は高温多湿で不快指数が高いため、たとえ健康的な人でもうつ病を発症するリスクが高まるらしい。
こちらのページで詳しく紹介されております。
体の不調や自律神経の乱れも生じやすい時期とのことなので、ちょっと疲れが溜まっているという人は、どうか無理せず休んでくださいね。
梅雨の馬鹿野郎!コロナの馬鹿野郎!とでも叫んで、ストレス解消しましょう。
4. おわりに
今日は「梅雨とは?」をテーマに、いろんな側面から梅雨を深掘りしてきました。
梅雨って、意外と曖昧なもんなんだなあというのが意外でしたね。
当たり前に「梅雨入り」ってワードを聞き入れてましたけど、その背景をしっかり学ぶと面白いのです。
長くて憂鬱な梅雨ですが、「明けない梅雨はない」と信じて(実際には明けないこともあるけど)、このブログの記事でも読んで安らかに過ごしましょう。
あ、毛虫にはくれぐれもご注意を。地獄のように痒いよ。笑
では!
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chimon
(参考URL)