【2020年5月28日】ちょっと季節先取り!でんでん虫?マイマイ?〜不思議な生き物・カタツムリ@〜
《この記事の文字数:約3,400》
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どうも、chimonです。
5月も終盤になり、なんだか梅雨のような天気になることもありますよね。
沖縄は梅雨入りしているわけで、本州もあと1ヶ月もすれば、本格的な梅雨シーズンです。
で、どんよりしていたある日、chimonはふとある歌を口ずさみました。
「で〜んでんむ〜しむし、か〜たつむ〜りぃ〜♪」
カタツムリの歌ですね。笑
この歌の正式名称は、その名も「かたつむり」!
そして、ふと思ったのです。
この歌、おかしくない?
だって、同じ生き物の別名を2つ並べて歌ってるんですよ?
例えるなら…
「だ〜いだいだ〜いぎし、しゅうぎいんぎいん〜♪」
って歌ってるようなもんですよ?!(合ってるのか?!笑)
ということで、強引ですが、今回は「カタツムリ」について深掘りしていきましょう。
1. 「カタツムリ」という名前の生き物はいない?!
(1)そもそも「カタツムリ」ってどういう意味?
当たり前のように「カタツムリ」と呼んでいますが、そもそもこの名前の由来はどんなものなのでしょうか?
これは、どうも「カタ」と「ツムリ」の組み合わせのようです。
「カタ」は、元々「笠」からきた言葉。
昔の編み笠は、縫い糸が螺旋状になっていました。(コトバンクにある「編笠」の画像がわかりやすいです)
この様子が貝に似ていることから、「笠」→「カタ」と変化したようです。
一方、「ツムリ」は元々「ツブリ」と言われていました。昔は「カタツブリ」だったんですね。
「ツブリ」というのは、「粒」や「円ら」と語源を同じくしており、「小さくて丸っこいやつ」という意味を指していると考えられています。
以上を踏まえると、「笠のような形の小さくて丸っこい貝」を意味する「カタツブリ」から転訛して「カタツムリ」となったというわけです。
なお、「片角振り・形角振り(かたつのふり)」から変化したという説もありますが、先にご紹介した説の方が有力視されているようです。
(2)それにしても別名が多い
ところで、冒頭でもご紹介した通り、カタツムリは「でんでん虫」とも呼ばれます。
他に「マイマイ」なんて呼び方もされますよね。
実際、地域によって異なる呼び方をされてきたみたい。
それだけ昔から日本に生息していて、人々に広く認識されていた生き物ってことなんでしょうかね。
あと、カタツムリは移動範囲が極端に狭いため、地域によって個体差が生まれやすい=種類がとんでもなく多いらしい。
こうなると地域ごとに見た目も異なるわけですから、名前がいろいろつくのは無理ないのかも。
では、他の名前の由来についても、簡単に見てみましょう!
《でんでん虫》
「出ん出ん虫」のことで、「出よ出よ」という呼びかけから訛ったものと言われる。貝の中に閉じこもる姿から名付けられた。
《マイマイ》
関東方言。貝殻が巻いている様子を表す「巻き巻き」から転じた呼び名。
東北の一部地域では「ナメクジリ」と呼ぶ地域もあるのだとか。
ほぼ「ナメクジ」やん!って感じですが、それもそのはず、昔はナメクジとカタツムリって区別されていなかったそうなんです。
どっちも「ナメ」とか「ナメクジ」とか呼んでたんですって!
へぇ。
(3)生物学的には「カタツムリ」なんていないのだ。
chimonは小さな頃、昆虫図鑑が好きな子でして。
さらに、なんと幼稚園時代にカタツムリを飼っていたこともありまして。笑
幼き日に、昆虫図鑑でカタツムリのことを調べた記憶があるのですよ。
その時に疑問に思ったのが、カタツムリって「〇〇マイマイ」って名前のやつらばっかりなんですよね!
例えば、日本各地で見られる「ウスカワマイマイ」や、外来種として知られる「オナジマイマイ」などなど…
要するに「カタツムリ」というのは、貝を背負ったナメクジのことを指す総称であって、生物学的な名称ではない!ということなのです。
ついでに、カタツムリの生物学的な分類を見てみると、軟体動物門 腹足綱 有肺目に属しています。
腹足綱ってのは、わかりやすく言い換えれば「巻貝」のこと。
そのうち有肺目のみが地上で暮らす仲間で、この中にカタツムリとナメクジがいます。
なるほど、ナメクジはやっぱり貝の仲間であり、カタツムリの親戚なのですね!
ナメクジもクリオネと一緒で、貝殻が消滅しちゃった貝の仲間ってことなのです。
それにしても「マイマイ」は関東方言だという話だったので、日本における生物学的な名称は、関東方言が用いられているってことなんですね。なんだか不思議!
2. 私たちは、意外とカタツムリを知らない。
(1)雑食系巻貝
結構見かける虫(というか貝)であるにも関わらず、何かと謎が多いカタツムリ。
謎が多い生物と言えば、海ぶどうもそうでしたね!
himekuri-nippon.hatenablog.com
話を戻して…カタツムリって何を食べているかご存じですか?
通常は、葉っぱや芽、花びら、コケなどを食べて暮らしています。
ただ相当な雑食らしく、基本なんでも食べようと思えば食べられるらしい!
結果、農家にとっては害虫扱い。
このページに、聞き捨てならない情報が…!
『ビールはカタツムリをよく誘引しますが、殺虫効果は無いので飲み逃げされる場合があります。』
まさかの、カタツムリはビールを飲み逃げする。笑
それだけ何でも口にしてしまうってことなんでしょう。
有名な話では、雨の日にカタツムリがブロック塀にいるのは、溶け出したコンクリートを食べるためと言われています。
貝殻が炭酸カルシウムでできているので、ブロック塀の成分を体内に取り込むことで、貝殻の健康(?)を維持しているんです!お前、スゴいな!!!
(2)ツノ出せ、ヤリ出せ、アタマ出せ
chimonは幼稚園時代にカタツムリを飼っていたとお話ししましたが、ある日、泣く泣く庭に放しました。
その理由が、とんでもない数の卵が孵化したから!笑
カタツムリの赤ちゃんって、ちっちゃいカタツムリなんですよね。まんまなんです。
可愛いけど、いかんせん何百と生まれたから、飼い続けることはできない…ってことで、お別れした記憶が今でも残ってます。
何匹飼ってたかは忘れたけど、確か結構な数飼ってたんですよ。
これが厄介なところで、カタツムリの一部は雌雄同体なんです。(雌雄異体の種類もいるらしい)
要するに、2匹以上飼っていれば、勝手に繁殖して増えてっちゃうということ。結果、チビカタツムリが大量に誕生という緊急事態が発生しました。
冒頭でご紹介したおなじみの童謡「かたつむり」の歌詞に、次のような一節があります。
ツノ出せ、ヤリ出せ、アタマ出せ
ツノとアタマはわかりますよね。触ったら引っ込んじゃうからね。
問題は「ヤリ」です。
「ヤリ」って何のことを指してるの?と。
これですね、カタツムリが交尾する際に出す「恋矢(れんし:ラブダートとも言う)」というものを指しているようなのです!
キューピッドかよ!笑
ところが、実際はそんなに甘っちょろいもんじゃありません。
雌雄同体のカタツムリは交尾する際、雄側にまわるカタツムリが自らの恋矢を雌側の個体にブッ指します。
恋矢には特殊な物質がついていて、刺された方の個体の卵子が受精しやすくなるようサポートする役割があるらしいです。
で、ここからがスゴい話でして…
恋矢を刺された雌側の個体は、それ以降卵子の数が減ってしまい、おまけに寿命が短くなるということが研究によって明らかになったのです!!
カタツムリは雌雄同体なので、ガンガンいろんな個体と交尾します。
そんな中、恋矢を刺すことで、
という、とんでもない生殖活動をしているんですね…。
のんびり動く穏やかなやつだと思ったら、全然そんなことありませんでした。笑
3. おわりに
ということで、今日はカタツムリについて、つらつらと書いてきました。
めっちゃ面白い生き物だってことがおわかりいただけたのでは?
「日本文化か?」と問われると非常に苦しいのですが、風物詩化している生き物なので、一応文化の範疇ってことで許してあげてください。笑
これからの季節、カタツムリを見る機会も増えると思いますので、ぜひ注目してみてはいかがでしょうか?
今日はここまで!
(参考WEB)
■日本気象協会「tenki.jp」
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chimon