【2020年2月22日】猫の日!意外とにゃがい日本人と猫の歩み
《この記事の文字数:約3,000》
サラッと読める
どうも、chimonにゃ!
そうにゃ!今日は「猫の日」にゃ!
そんにゃこともあって、今日は日本人と猫の歩みを軽めにご紹介するにゃ!
1. 日本の芸術に登場する猫
もう疲れたので、普通に戻します。笑
猫、可愛いですよね。
chimonも小さい頃から実家で猫を飼っていたので、猫愛はかなりのものです。
ただ、ヤツらは好き勝手に生きるのが信条ですから、牛豚鶏のような家畜でもなく、犬や馬のような「お役立ち」動物でもありません。
そうなると、いつ頃から日本人と一緒だったんだろう?
ということで、調べてみたところ、つい最近歴史の定説が覆っていたことが発覚!
まずは、こんなところに猫が登場しているというお話から。
猫が登場する、古き日本を代表する名作が「源氏物語」!
第34帖「若菜」の巻に登場しています。
これが、結構大切な役柄でして…。
そもそも、源氏物語の「若菜」の巻は光源氏の絶頂期と衰退の始まりを描く物語のターニングポイントであり、作中で唯一上下巻に渡っている最長の巻。
ストーリーの中で光源氏の異母兄である朱雀帝が、愛娘の女三宮を嫁に出したいと考えます。
色々な候補を考えた結果、当時30代後半の光源氏しかいない!ってなります。
そ、そうですか…人材不足ですか?笑
ってか、女三宮は現在で言うところの中学3年生〜高校1年生くらい。
気にしちゃダメか…笑
で、女三宮は光源氏の元にやってくるワケですが、そんな女三宮にずっと恋い焦がれていたのが、光源氏の最大のライバルにして元親友・頭中将(とうのちゅうじょう)の息子、柏木でした。
ある日、柏木たちが庭で蹴鞠をしている様子を、女三宮は部屋の中から見ていました。
当時の女性は、男性に姿を見せるのはタブー。
簾越しに蹴鞠するのを見ていたんですね。
ところが!
女三宮が飼っていた猫(大きな猫と可愛らしい小さな猫)が追いかけっこを始めると、繋いでいたリードが絡まってしまい、その拍子に簾が開いてしまうのです!
いやん。
蹴鞠をしていた柏木は、そこに現れた女三宮の美しさにますます思いを強くしてしまい…
やがて、二人は密通を行い、ついには柏木が女三宮を襲ってしまい…女三宮は懐妊してしまうのでした。
こうして二人の間に生まれた子供(一応、光源氏の子供とされている)が薫であり、彼こそが光源氏亡き後の、源氏物語後編主人公なのです。
つまり!源氏物語の後編は、猫によって作られたと言っても過言ではない!!!笑
この様子が源氏物語に描かれているということは、作者である紫式部の身近に猫がいたってことでしょうね。
平安時代の貴族の間では、すでに猫が広く知られる存在だったということでしょう。
2. やっぱりトムとジェリー
源氏物語に登場する猫は「唐猫(からねこ)」と表現されており、その名の通り中国から渡来してきた猫のようです。
その理由は、貴重な経典をネズミの被害から守るため。
1,000年以上前から、猫に与えられた使命は「トムとジェリー」だったんですね。笑
このブログでたびたびお世話になっている、砂崎良著・上原作和監修『マンガでわかる源氏物語』にも次のように記載されています。
猫は経典をネズミの害から守るため、奈良時代に中国から輸入されたといわれている。土着の猫もいたらしいが、平安貴族には中国から輸入されたばかりの「唐猫」が珍重された。天皇の愛猫には位や乳母が与えられたと書かれている。
「猫に位や乳母が与えられた」…?!
猫様!!笑
chimon的に注目なのは「土着の猫もいたらしい」という部分。
これが、後々効いてきますので覚えておいてくださいね。
奈良時代に中国から輸入されたとある通り、長年、家で飼われる猫(イエネコ)は奈良時代〜平安時代にかけて日本に定着した、というのが定説でした。
平安時代初期に書かれた「日本霊異記」に登場するのが、歴史上最初の記述らしいですから、まあだいたいこの時期だろうと考えられてきたワケですね。
ただ、もっと前から全国各地にヤマネコは生息していました。ここで言ってるのは、あくまでもイエネコの話です。
3. 知らぬ間に猫史が覆っていた!
長らく1,200〜1,300年前くらいに日本へやってきたと考えられていたイエネコですが、ここ10〜15年くらいの発見で、一気に歴史が覆ったという衝撃の事実が発覚しました!
先ほど引用した文中で「土着の猫もいたらしい」という話がありましたよね?
あれは、正に唐猫がやってくる前から、日本にも日本猫がいたということなのです。
まず、2007年に兵庫県姫路の見野古墳群から、あるものが発見されます。
実際見てもらったほうが早いので、下記のページをご参照ください。
福島県立博物館のページにある13番に注目!
「ネコの足跡が付いた須恵器」…!笑
まあ物の見事に、猫らしき足跡がついています。
たまに固まったコンクリートに猫の足跡がついているのを見かけますが、昔の猫がまだ柔らかい土器を踏んじゃった跡なんでしょうか…?
可愛い。笑
先ほどのホームページの記述を見ると「古墳時代終末期」とあります。
古墳時代の終わりと言うと6世紀後半ですから、長年の定説よりもさらに100年以上前から、イエネコが日本にいたんじゃないか?という大発見だったのです。
そんな猫史上の大発見はさらに続き、翌年の2008年〜2014年にかけて長崎県壱岐の「カラカミ遺跡」で、イエネコと思われる骨が相次いで発見されたのです。
この遺跡では、猫以外にも犬や馬など家畜の骨も多数出土されているそうなのですが、最も大切なのがその年代。
にゃにゃにゃんと!弥生時代の遺跡なんですよね!!
出土した猫の骨は約2,100年前のものだそうで、当初の定説から実に800年以上前より、猫と日本人の関係は始まっていたのではないかと考えられるようになったのです。
猫を巡って、こんなに歴史が塗り替えられていたとはつゆ知らず!!!
2019年3月、日本最大の歴史民俗博物館である「国立歴史民俗博物館」(千葉県佐倉)がリニューアルオープン。
その際、新しくなった展示室に「弥生時代の仔ネコ」なる展示が新設されました。
国立の権威ある博物館で展示されたということは、正式に猫にまつわる日本史が塗り替えられた歴史的瞬間!
そこで、当ブログでは「日本における家猫は弥生時代からいたにゃ!」と結論づけておきます!!笑
4. おわりに
一般社団法人ペットフード協会が毎年実施している「全国犬猫飼育実態調査」によると、2017年に犬の飼育数を猫の飼育数が初めて逆転。
それ以降2019年まで3年連続で「猫の飼育数>犬の飼育数」となっており、両者の差は拡大傾向にあります。
飼育世帯数は犬の方が多いのですが、猫の方が多頭飼育の傾向が見られるようです。
(参考)一般社団法人ペットフード協会「令和元年 全国犬猫飼育実態調査」
https://petfood.or.jp/data/chart2019/3.pdf
弥生時代の集落民から、平安時代の天皇や貴族に至るまで、日本人は猫好き民族と言えるのかもしれませんね。
そんにゃことを考えながら、令和2年2月22日の記事を終えたいと思います。
おしみゃい。
∧ ∧
▲ ▲
・ ・
三 ▽ 三
chimyan
(参考文献)
・砂崎良著、上原作和監修『マンガでわかる源氏物語』池田書店, 2019
※本ブログの記事は、参考文献等の記載事項を基にして筆者独自の考えを交えて展開するものです。歴史的事象には諸説あるものが多いため、あくまでも一つの説として捉えていただきますようお願いいたします。