【2020年1月14日】超意訳!中学生でも読める古事記vol.1〜天地開闢編〜
《この記事の文字数:3,820》
ちょっと読み応えアリ
どうも、chimonです。
今回は、このブログの主要テーマの1つ「古事記」についてご紹介していきます。
名付けて「超意訳!中学生でも読める古事記」シリーズ!
先に何度も言っておきますが、超意訳です。笑
ただ、流れは原文に忠実に、をモットーに書いていくつもりですので、これを読めば日本最古の歴史書「古事記」をマスターできるかも?!
ツッコミや現代語表現をたぶんに使用しています。「神様への冒涜だ」なんて意見は受け付けません。そういうスタンスです。
これから何回かに分けてご紹介していきますが、気まぐれで投稿していきますので、いつ完結するかは私も知りません!笑
今回は【天地開闢(てんちかいびゃく)から、伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)の結婚まで】を描いていきます。
それではさっそく…
※斜字:原文にないchimonオリジナル解釈&ツッコミ笑
1. 天地の創生
これは、この世に初めて、天と地が生まれた時のお話。
天の世界に、突然ど偉い神様が生まれました。
この神様の名前は、天御中主之神(アメノミナカヌシノカミ)。
名前の通り、お空の真ん中にドンと座っておられる、とにかくど偉い神様。
そして、続いてお生まれになったのが、高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)と神産巣日神(カムムスヒノカミ)でした。
合わせて三柱(みはしら:神様は「柱」と数える)の神たちは、偉すぎるのでその姿を現すことはありません。
出来たばっかりの世界は、まるで水に浮かぶ脂のよう。
クラゲみたいにプカプカ浮かんでいる状態でした。
そんなプカプカ世界から、葦(あし)の芽みたいなものが生えてきて、次の神様が生まれたのです。
この神様の名前は、宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコジノカミ)。
やがてプカプカ世界だった中で、天の世界の形が定まると、そこから天之常立神(アメノトコタチノカミ)が誕生しました。
この二柱の神たちも、偉すぎて姿を現すことはありません…。
恥ずかしがり屋なのかな?
ここまでに登場した神様たちは、みんな一人ぼっち。
天と地を生み出した、どえりゃあ神様ということで「別天神(ことあまつかみ)」と呼ぶそうな。
天の世界の形が定まった後、続いて大地の形が定まりました。
そんな時に現れた神様が、国之常立神(クニノトコタチノカミ)。
さっきのアメノトコタチさんと、名前がそっくり。天を定めたアメさんと、大地を定めたクニさん。
「アメさん クニさん」って覚えましょう。
そんな大地の上には、豊雲野神(トヨクモノノカミ)が現れ、雲を生み雨を降らします。
大地で最初に生まれた二柱の神も、やはり姿を現すことはありません…。
…恥ずかしがり屋なのかな?(2回目)
やがて大地には、農作物を育てる泥や土を司る神様が生まれます。
その名は宇比地迩神(ウヒジニノカミ)、そしてパートナーの女神・湏比智迩神(スイチニノカミ)。
ここから先は、神様も一人ぼっちじゃありません。
つぎに田畑を耕すため、土地を造成する杭を立てる必要があります。
この杭を司る神様として、男神の角杙神(ツノクイノカミ)とパートナーの女神・活杙神(イクグイノカミ)が誕生。
そんな土地に住まうため、家の門を司る意冨斗能地神(オオトノジノカミ)とパートナーの女神・大斗乃弁神(オオトノベノカミ)が生まれました。
つづいて生まれたのは、人間の体や地面の完成を意味する二柱の神様。
於母陀流神(オモダルノカミ)と、パートナーの女神・阿夜訶志古泥神(アヤカシコネノカミ)。
今まではパートナー同士、似た名前だったのに、この二柱の神様だけ名前が全然違います。夫婦別姓の走りかな?
そして、次に誕生したのが伊邪那岐神(イザナキノカミ)と、パートナーとなる女神・伊邪那美神(イザナミノカミ)でした。
クニさんからイザナミさんまでの神様は、大地が固まってからの偉い神様ということで「神代七世(かみよななよ)」と言います。
クニさん、トヨクモさんは一人ぼっちだけど、それからの皆さんはカップル。カップルの皆さんは、セットで一代と数えましょう。二人は一心同体!
2. おのごろ島
天の神様たちは、最後に生まれたイザナキさんとイザナミさんにこう告げました。
「お前たち、いっちょ大地完成させちゃって〜!」
そう言うと、イザナキさんとイザナミさんに綺麗な玉のついた矛を与えたのです。
矛を持った二人は天に架けられた橋へと行き、そこから矛を使って地面をかき回しました。
プカプカ世界の海水を、音を立てながらかき回します…
コオロ…コオロ…
二人が海水から矛を引き上げると、矛の先から塩が滴り落ちました。
すると…なんと言うことでしょう!
落ちた塩が積もり積もって、小さな島ができたのです!アンビリバボー!
この島は「おのごろ島」と言います。
イザナキさんとイザナミさんは、できたばかりのおのごろ島に降り立つと、天の世界へ通じる立派な柱を立てました。一瞬で。
そして同じように、立派な宮殿を建てました。一瞬で。
3. イザナキさんとイザナミさんの結婚
おのごろ島でイザナキさん、何を思ったか、こんなことを聞いちゃいます。
「イザナミ、ちょっと聞いていい?君のカラダって、どうやってできてんの?」
イザナキさん、いきなり何聞いてんの?!
イザナミさんは、こう答えました。
「イザナキさん、聞いて欲しいの。私は立派な大人に成長したはずなんだけど…1ヶ所どうしても足りない場所があるの…」
これを聞いて、イザナキさんも語ります。
「そうなのか…いや、実はね、俺は…立派な大人に成長したはずなんだけど…1ヶ所余っちゃってるところがあるんだよね…」
つづけて、イザナキさんは畳み掛けます。
「だからさ…その…俺の余っちゃってるところを、君の足りないところに刺して塞いじゃって、そんでもって国を産むってのは…どうだろう?」
イザナキさん、ど直球はどうかと思いますよ?上手く生きていくための忠告です。
この問いかけにイザナミさんは…
「いいですね!そうしましょうっ!」
…?!…乗った!!
二人は、男女の交わりの前に、結婚の誓いを交わす儀式をしようと考えました。
イザナキさんが言うには…
「ここに天の柱があるじゃない?二人それぞれ、柱の周りを反対向きに回って、めぐり逢ったら、その…えっと…交わろう!」
どストレート。イザナキさんはストレートしか投げられません。
「君は右回りね。俺は左から回るから」
こうして二人が、柱の左右から回り始めました。そして出会ったところで、イザナミさんが言いました。
「あら、なんて素敵な男性なのっ!」
これに続いてイザナキさんも、イザナミさんに告げました。
「おお!なんて愛らしい乙女なんだ…」
しかし、あろうことかめぐり逢って挨拶した後に、イザナキさんが言いました。
「ってか、女の子の方から声かけるって、なんか不吉じゃない?」
ただ、とりあえず儀式は完了したので二人はめでたく結ばれ、一人の子が生まれました。
この子の名前は水蛭子(ヒルコ)。
ところが、この子は手足がしっかりしておらず、国土にすることはできない子でした。
二人はヒルコを葦の舟に乗せ、海の沖へと流しました。
子供を流しました、なんてサラッと書くな、サラッと。
つづいて生まれた淡島(アワシマ)も国土にするには心もとなかったので、二人の子供としては数えません。
数えないって、どういうこと?!
ここで二人は相談することにしました。
その結果、自分たちが今産んだ二人の子は不吉な子だったから、改めて天の神様にちゃんと相談しよう!ということになったのです。
不吉な子…って。ヒルコとアワシマ、どこまでもかわいそうな子…。
こうして二人は揃って、天の神様の元へ参上しました。
天の神様が占いをしてみるようおっしゃったので、二人は運勢を占うことに。
その結果を見た神様のアドバイスがこちら!
「うーん、女性の方から声をかけたのが良くなかったぽい!もう一回柱を回るところからやり直して、今度はイザナキくんのほうから声かけてみ?上手くいくから!」
結局、それが原因なんだ…笑。
これを聞いた二人は、再びおのごろ島へ戻って儀式をやり直すのでした。
《vol.2へ続く》
次回予告!
天の神様の言いつけに従って、無事日本列島や島々を産むことに成功したイザナキさんとイザナミさん。
国を産み終えた後は、つぎつぎと神様を産んでいきます。
ところが…火の神を産んだイザナミさんは大ヤケドを負い…
次回「イザナミ死す!〜国産み・神産み編〜」。
himekuri-nippon.hatenablog.com
お楽しみに!!
(参考文献)
・中村啓信訳注『新版 古事記 現代語訳付き』角川文庫, 2009
・山折哲雄監修、田中治郎著『新版 面白いほどよくわかる日本の神様』日本文芸社, 2013
※本ブログの記事は、参考文献等の記載事項を基にして筆者独自の考えを交えて展開するものです。歴史的事象には諸説あるものが多いため、あくまでも一つの説として捉えていただきますようお願いいたします。