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【2020年1月20日】超意訳!中学生でも読める古事記vol.2〜国生み・神生み編〜

《この記事の文字数:5,465》

読み応えアリ!

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第2弾!

 

どうも、chimonです。

 

今日は、ひじき…ではなく!

 

 

日本最古の歴史書古事記を超意訳でお届けする「超意訳!中学生でも読める古事記の第2弾!

 

イザナキさんとイザナミさんによる国生み・神生みの段を取り上げていきます。

 

 

繰り返しになりますが、超意訳。超意訳です。異論は受け付けません。笑

 

 

天地開闢(てんちかいびゃく)を描いた第1弾は下記からどうぞ!

 

himekuri-nippon.hatenablog.comd

 

では、さっそく続きからスタート!

 

 

※斜字:原文にないchimonオリジナル解釈&ツッコミ笑

 

4. 国生みっていう荒業

 

天の神様からの教えに納得した二人は、再びおのごろ島に帰ってきました。

 

二人は偉いので、天の神様から言われた通りにもう1回、結婚の儀式を始めます。

 

 

またやるんだ、それ…

 

 

二人は再び柱の周りを回ると、今度はイザナキさんから声をかけます。

「おお!なんて愛らしい乙女なんだ!」

 

この言葉を受けて、イザナミさんも一言。

「あら、なんて素敵な男性なのっ!」

 

 

この儀式の後、二人は再びコトに興じます。

 

 

お盛んな二人。

 

 

こうして、今度は無事国土となる子供たちが生まれたのです!

 

最初に生まれたのは、淡道之穂狭別島(あわじのほのさわけのしま)

 

つぎに生まれたのが、伊予之二名島(いよのふたなのしま)でした。

 

 

まさかの長男(?)は淡路島、次男は四国!

 

 

二人目のイヨさんには、なんと顔が4つありました!

 

まさかのキングギドラ超え!笑

 

 

伊予国にあたる顔は愛媛。

 

讃岐国にあたる顔は飯依比古(イイヨリヒコ)。

 

粟国(あわのくに)にあたる顔は大宜津比売(オオゲツヒメ)。

 

土佐国にあたる顔は建依別(タケヨリワケ)という、名前があります。

 

 

ん…?香川は男の子、徳島は女の子ってコト??

 

 

つぎに生まれたのは、隠岐島でした。この子たちは三つ子ちゃん。天忍許呂別(アメノオシコロワケ)って名前もあります。

 

三つ子なのに別名一つ!四国との扱いの差!!

 

 

四人目に生まれたのが、筑紫島(つくしのしま)ちゃん。

 

今の九州。

 

 

この子も、4つの顔を持っていました。

 

キングギドラ超え、再び!笑

 

 

北の筑紫国にあたる顔の部分は、白日別(シラヒワケ)。

 

東の豊国(とよのくに)にあたる顔の部分は、豊日別(トヨヒワケ)。

 

中部の肥国(ひのくに)にあたる顔の部分は、建日向日豊久士比泥別(タケヒムカヒトヨクジヒネワケ)。めんどくさ。

 

南の熊襲国(くまそのくに)は、建日別(タケヒワケ)って言います。

 

 

なんか肥国だけ名前長くない?!ややこしいから、まとめて「別(わけ)軍団」って呼んでしまえ。

 

 

 

まだまだ国が産まれます。つづいて産まれたのは、伊岐島でした。

 

今は壱岐って書くけど、古事記の表記はこっちです。

 

この子にも、天比登都柱(アメヒトツバシラ)という別名があります!

 

 

その後も、別名・天之狭手依比売(アメノサデヨリヒメ)とも言う津島ちゃん、佐渡島ちゃんが産まれました。

 

対馬の表記も現在とは違います。なんで佐渡島だけ、別名もらえなかったんだろう…?笑

 

 

そして、八人目に産まれたおっきな子が、本州ちゃん!

 

別名・天御虚空豊秋津根別(アメノミソラトヨアキヅネワケ)って言います。

 

 

この8つの島が最初に生まれたから、大八島国(おおやしまくに)って呼ぶことにします。

 

 

 

イザナキさんとイザナミさんはお盛んなので、まだまだ国を産み続けます。

 

 

コトを終えた帰り道で、さっそく吉備の児島(きびのこじま)ちゃんを産んじゃいます。

 

この子の別名は、建日方別(タケヒカタワケ)。

 

 

熊襲国とそっくり!笑

 

 

間髪入れず、瀬戸内海に浮かぶ小豆島(あずきしま)ちゃんを産みました。

 

しょうどしま、と読まないんですね。

 

 

この子の別名は、大野手比売(オオノデヒメ)。

 

あ、女の子だ。

 

 

つづけて、大島ちゃん<別名:大多麻流別(オオタマルワケ)>と、女島(ひめじま)ちゃん<別名:天一根(アメヒトツネ)>が産まれました!

 

天之忍男(アメノオシオ)とも呼ばれる知訶島(ちかのしま)ちゃんが産まれ、最後に双子ちゃんが産まれました!

 

この双子ちゃんは、天両屋(アメノフタヤ)と言います。

 

 

やっぱり、双子でも名前は一つなんですね…

 

 

大八島ブラザーズに続けて生んだ島の数、合わせて6つ!

 

ちなみに、大島=周防大島女島=姫島、知訶島=五島列島、双子ちゃん=男女群島とされています。やたらと九州に偏ってるのは、やっぱり大和政権も九州にルーツがあるってコトなんでしょうか?

 

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国を生むって発想がすごい。

 

5. 神生みとイザナミさんの死

イザナキさんとイザナミさんは、国を全て産み終わりました!

 

でも二人はお若いので、今度は神を産んじゃいます。

 

 

ここから、とんでもない数の神を産むのでダイジェスト版でお送りします。笑

 

二人の大事業を象徴する神、土や石の神、砂の神、家の入り口の神、天井の神、家の神、風の神…

 

とにかく生活の元となる、ありとあらゆる神をバンバン産みます。

 

そして、海の神である綿津見神(オオワタツミノカミ)を産み、つづけて海と川が交わる河口の男女神・速秋津日子神ハヤアキツヒコノカミ)速秋津比売神ハヤアキツヒメノカミ)を産みました。

 

 

海の神と河口の神は結構大事なので、紹介しておきます。特に海の神・大綿津見神は、神武天皇の外祖父兼曾祖父、という訳のわからん立ち位置。笑

 

 

さらに、河口の神が川と海をそれぞれ担当したコトで、水の状態を意味する神が産まれてしまうのです!

 

神が何かをすると、その行為すら神になってしまうという、神の無限ループ。

 

 

ここでは、水をいろんな場所に分配するという天之水分神(アメノミクマリノカミ)・国之水分神(クニノミクマリノカミ)など、合計八柱が誕生しました。

 

 

水のつぎは…木と山と野原!と相場が決まっていますね。知らんぞ、そんなの。

 

ということで、イザナキさんとイザナミさんはそれぞれの神を産んでいきます。

 

山の神・大山津見神オオヤマツミノカミ)や、野を司る女神・鹿屋野比売神カヤノヒメノカミ)など、またまた合わせて四柱を産んだのでした。素晴らしい繁殖力!

 

カヤノヒメちゃんは、別名・野椎神(ノヅチノカミ)とも言います。

 

 

神が神的に多すぎて、だんだん訳がわからなくなってきた頃かと思いますが、まだ神が増えます。笑

 

 

オオヤマツミくんとカヤノヒメちゃんが、山と野をそれぞれ担当したら、山野でもたくさんの神が産まれてきました。

 

その数、合わせて八人!

 

山や平地にもたくさん神がいます。

 

That's 神の無限ループ part2

 

 

つづいて、イザナキさんとイザナミさんが産んだのが、鳥之石楠船神トリノイワクスフネノカミ)

 

この子は、神様が乗る船の神様(?)なので、別名・天鳥船(アメノトリフネ)と言います。

 

神様の乗り物も神様、っていう八百万カオスです。笑

 

 

つぎに産んだのは、穀物の女神・大宜都比売神オオゲツヒメノカミ)でした。

 

この名前に見覚えのある方は素晴らしい!国生みの四国・粟国の別名が、この女神の名前でしたねー。粟と穀物をかけてるという説があります。

 

 

そして、つぎに産まれる子が悲劇をもたらすのです…。

 

 

産まれた子の名前は、火之夜芸速男神(ヒノヤギハヤオノカミ)という男の子。

 

別名・火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)と言います。

 

 

この子は何の神でしょう?

 

 

 

そうですね、火の神です。

 

火の神を産んだらどうなるでしょう?

 

 

 

そうですね、火傷しますね…笑

 

 

 

イザナミさんは、この子を産んだことで、大事なところを火傷してしまったのです!

 

想像するだけで、熱い。。。

 

 

イザナミさんは火傷が原因で、苦しみながら床に臥せてしまいました。

 

 

苦しむイザナミさんは、思わず吐いてしまいます。吐いたものから産まれたのは、金物の神様である金山毘古神(カナヤマビコノカミ)金山毘売神(カナヤマビメノカミ)夫妻。

 

吐いたものからも神が産まれるって凄い話ですが、一説ではヘド=金属が溶ける様子を表している、とも言われています。

 

 

さらに、苦しむイザナミさんが排泄した大便や尿からも神様が産まれます。

 

尿から生まれた二柱の神のうちの一人・和久産巣日神(ワクムスヒノカミ)は、のちに食物の神様・豊宇気毘売神(トヨウケビメノカミ)を産みました。

 

豊宇気毘売神は、伊勢神宮外宮(豊受大神宮)のご祭神ですね!だから、わざわざ名前が出てきているのかも。

 

himekuri-nippon.hatenablog.com

 

 

そして悲しいことに、イザナミさんは火の神を産んだことが原因になって、ついにあの世へと旅立ってしまったのでした…。

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イザナミさん、あっけなく死す。

 

ここまでイザナキさんとイザナミさんが一緒に産んだ島は14、神は35にも上ります。

 

 

普通に数を足し合わせても35にはなりません。どうやって数えるのかは諸説あるようですが、とりあえずヒルコとアワシマは含まないそう。

 

…どこまで不遇な二人…泣

 

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神産みすぎ問題。二人元気すぎ問題。の割に、あっけなく死にすぎ問題。

 

6. 「FIre!」じゃねえぇぇぇ!

ヒノカグツチくんを産んだことにより、あの世へと旅立ってしまったイザナミさん。

 

愛しき妻を亡くしたイザナキさんの悲しみは相当なものでした。

 

「ああ…イザナミ…何で、たかが一匹の子供と引き換えに、君が死ななきゃいけなかったんだよぉおおおおおお!!!うわああああぁぁぁぁん!!!!」

 

 

原文では「子の一木(ひとつき)」と書かれており、かなり強い表現だそう。ここでは「一匹」という現代語訳を採用しています。一匹って…笑

というか、父親なんだから、残された子供を大切に育てようって気持ちにはならんのかね、イザナキさん。

 

 

悲しむイザナキさんは、イザナミさんの枕元から足元へと這って這って大号泣。

 

この時、流した涙さえも神様になっちゃいます。名前は泣沢女神(ナキサワメノカミ)と言い、奈良県の畝尾都多本神社(うねおつたもとじんじゃ)に祀られているそうな。

 

 

イザナキさんはイザナミさんの亡骸を、出雲国伯耆国(ほうきのくに)の境にある、比婆山(ひばのやま)に葬りました。

 

今で言うところの島根県鳥取県の県境にある山、ってことですね。

 

 

イザナキさんは、妻の命を奪ったヒノカグツチくんが許せません!

 

そして、腰につけていた十拳の剣(とつかのつるぎ)を抜くと…

 

 

「『Fire!』じゃねぇぇぇ!!!!!」

と言いながら(多分に意訳)、ヒノカグツチくんの首を斬りつけました。

 

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神が神を神の剣で斬ったら、神的に神が出てくるよね、うん。

 

すると、ヒノカグツチくんの血が剣の刃先について、周りの岩石に飛び散りました。

 

そこから三柱の神が誕生したのです。

 

出ました。「身から出た神」の無限ループ。

 

 

さらに、剣の根元についていた血も周りの岩石に飛び散って、またもや三柱の神が誕生しました。

 

この時最後に生まれたのが、建御雷之男神タケミカヅチノオノカミ)でした。

 

 

はい、この神はとても重要人物!高天原(たかまのはら)きっての武神として、この後も出てきます。鹿島神宮のご祭神で、地震を起こすと言われる大鯰(おおなまず)を抑えてたのが彼でしたね。 

himekuri-nippon.hatenablog.com

 

 

剣の柄(つか:刀の手で握る部分)に集まった血は、イザナキさんの手の指の間から漏れ出しました。ここからも二柱の神が出現し、ヒノカグツチくんの首を斬った刀から、合計八人の神が誕生したのです。

 

刀から生まれたと言うより、絶対ヒノカグツチの血から生まれてるでしょ!ってツッコミはなしみたいです。笑

 

 

イザナキさんによって殺されてしまったヒノカグツチくん。彼の頭や胸、大事なところなどあらゆるところからも、神が出現しました。

 

というか、ヒノカグツチにしてもイザナミにしても、神って意外とあっけなく死ぬのよね…。

 

 

ヒノカグツチくんの亡骸からは、合計八柱の神が誕生。

 

イザナキさんが彼を斬った剣は、天之尾羽張(アメノオハバリ)または伊都之尾羽張(イツノオハバリ)と言うそうな。

 

このイツノオハバリという剣は、韴霊剣(フツノミタマノツルギ)とも言われ、鹿島神宮のご神宝として国宝に指定されています。

 

 

《vol.3へ続く》

 

 

次回予告!

 

亡き妻が忘れられないイザナキさん。

 

イザナミさんにもう一度会いたい、また一緒に神を産みたいと思うイザナキさんは、彼女がいる黄泉の国(よみのくに)へと追いかけていきます。

 

イザナキさんと一緒に帰りたいイザナミさんは、黄泉の国の神に交渉すると告げて、その場を後にします。

 

彼女は「私が交渉を終えるまで、決して見てはいけません」とイザナキさんに念を押しますが…イザナキさんは我慢することができず…

 

 

次回「愛しさと恥ずかしさと心憎さと〜黄泉の国編〜」!

 

himekuri-nippon.hatenablog.com

 

 

 

お楽しみに!!

 

 

 

 

(参考文献)

・中村啓信訳注『新版 古事記 現代語訳付き』角川文庫, 2009

山折哲雄監修、田中治郎著『新版 面白いほどよくわかる日本の神様』日本文芸社, 2013

 

 

※本ブログの記事は、参考文献等の記載事項を基にして筆者独自の考えを交えて展開するものです。歴史的事象には諸説あるものが多いため、あくまでも一つの説として捉えていただきますようお願いいたします。